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準教授のK氏は、いつものように講堂で講義を行った。
学生に向けて話をするのは、しょっちゅうで大体顔も覚えている。
黒板を消し、講堂から出ようとした時、まだ何人かが残っていた。
話をしている者、写したノートに目を通している者。
それに居眠りをしたままの者も。
その中で、一番遠くの席からK氏を見ている学生が。
目が合うと、その女性は席を立ち、講堂から出ていった。
見たことのない学生だ。
いつもサボってばかりだが、単位が必要になって急に出席したのだろう。
そんなことは、特に大学なら普通のことだ。
K氏はほとんど気に留めなかった。
次の週。
同じ科目の講義を終えて、講堂を去ろうとすると、この前の学生がこちらを見ていた。
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