ある学生

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「そうならいいが」 「それよりも先生」 「分かってる。念願が叶ったんだ」 こんな普通の学生が、こんなことを。 ここで報酬を与えなかったら、私もいずれこの座から退かなければならなくなるかもしれない。 K氏は学生の言った金額を渡した。 それから、今度こそ本当にその学生は姿を現さないようになった。 別の大学でのこと。 講義を行っているのは準教授。 大勢の学生が、話を聞いている。 その中で、視線をずっと送っている女性が。
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