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「お前さ、俺んちの薬局で洗剤買ったろ。詰めが甘いんだよ。親父がお前が来て洗剤買ってった話を聞いてすぐにピンときたぜ」
「な……なにが……」
「お前が俺たちに復讐しようってさ」
僕は緊張のあまりゴクリと唾を飲む。
「あとさ、いっておくけど酸性の洗剤とアルカリ性の洗剤を混ぜたくらいじゃ有毒ガスは発生しないぜ。ガスが発生するのはアルカリ性じゃなくて塩素系だからな」
何だって?
メメロンチョは確かに酸性の洗剤とアルカリ性の洗剤だって言ってたはずなのに……これはどういうことなんだ。
「ケハヒヒヒ! まだわからないの?
あなたわたしにダマサレタノヨけひひひ!」
メメロンチョは僕の頭の中で笑い転げているのか、ゴロゴログワングワンと声があちこちから聞こえてくる。
「おめえよぉ、これは立派な犯罪だぜ?」
サトル君が僕のことを突き飛ばす。
「このことをバラされたくなかったら……わかるよな?」
ケンジ君が僕を踏みつける。
「お前は今日から――オレ達の奴隷だ」
フトシ君が満面の笑みで僕の未来を宣告する。
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