5人が本棚に入れています
本棚に追加
サトル君が彼女と別れた原因が僕にあるのか。君は元々ミソジニスト的思考で彼女を物くらいにしか見てなかったからじゃあないかい?
三十路の女性が大好きな、ミソジニストのサトル君は自分の欠点にも気がつかないで僕を悪者扱いする。
「あれから一週間もシテないんだぜ。おかげでイライラしてんだ」
「ムラムラじゃなくて?」
「バーカ、ムラムラしすぎるとイライラしてくんだよ。ドーテーのお前にはわかんねーだろーけどな」
「あ? んだと?」
サトル君とケンジ君がにらみ合う。メンチのきりあいだ。
僕はメンチカツは好きだけど殺伐としたメンチのきりあいは嫌いだ。
そんな中、見張り役のフトシ君がにやにやしながら近づいてきた。
フトシ君はサイケデリックなまでにサディスティックで、上唇を舐めながらにやにやしている。そんな時はいつだって、僕に対して斬新ないじめのアイデアを提供してくるんだ。
「二人ともたまりまくってイライラしてんだろ? 実はオレもなんだ。それで今スゲーいいこと思い付いたんだよ」
太ったチシャ猫みたいなフトシ君が僕のことを見下ろしてくる。
「こいつさ、色白だし痩せてるし顔も女みたいだろ? こいつにシテもらえばいいんじゃねえかと思ってよ」
なんということでしょう!
思わず頭の中でどこかの局のリフォーム番組のナレーションが木霊する。
最初のコメントを投稿しよう!