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僕の頭の中に鈴を転がしたような声が響いた。彼女の名前はメメロンチョ。あの日から突然聞こえるようになった天使の声。
僕のイマジナリーフレンドの一人さ。心配する彼女を安心させるように僕は呟く。
「大丈夫、この間ホームセンターに行って買ってきた材料で時限式の仕掛けは作ったから……後は酸性の洗剤とアルカリ性の洗剤を買ってくればいいだけさ」
「スゴイスゴイ! 二週間でそこまで準備できるなんて流石は私が見込んだだけのことはあるわ」
メメロンチョは僕の頭の中で跳ね回ってるのか、声があちこちから大きくなったり小さくなったりして聞こえてくる。
三半規管が狂ったみたいにグラグラした感覚になってちょっと気持ち悪くなったけど、僕は唾をゴクリと飲み込んでそれに耐えた。
「そんなことよりメメロンチョ、本当にこんなのでクラスの奴らに復讐できるの?」
僕はメメロンチョの言うことに従ってきたけれど、彼女は非常に気まぐれで、自由奔放な性格をしているので、いまいち確信的な気持ちになれなかった。
「大丈夫よ! あの三人のいじめっこと今まで見て見ぬふりをしてきたクラスメートの馬鹿どもには復讐される義務があるの。ユウ君の基本的人権を踏みにじった代償はその命で償ってもらわなくちゃ!」
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