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リン、リリン。君の声は鈴の音。
君は私にしか見えない。
君がここにいることが私にだけわかる。
他の人にはわからない。見えない。聞こえない。
皆が言う。私は夢を見ているのだろう。
それはきっとまやかしだと。
確かにいるのにわからないから否定する。
何も見ようとしていない。
リン、リーン。君は否定されて怒った。
そうだね、何で君のことが見えないんだろう。
私たちだけの優しい世界があればいいのにね。
大丈夫、きっと楽しいよ。ね?
そしてまた、一人の子供がいなくなった。
何も見えない大人を残して。
たった一人見えるまま大人になった子供を残して。
そして時間は穏やかに、何事もなかったように過ぎていく。
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