130人が本棚に入れています
本棚に追加
/291ページ
~~~~~~~~~~~~~~~~~
開演のブザーが鳴り響き、天鵞絨の幕は上がる。
「ようこそお越しくださいました、劇場《グランギニョール》へ」
スポットライトが照らし出すのは、チャイナドレスに身を包んだ黒髪の美女。
「本公演より総支配人を務めさせていただく、水城遊離と申します。
皆様どうぞ、お見知りおきを」
仰々しくお辞儀をする客席に人影はなく、
ただ暗闇に無数の鬼火の瞬くばかり。
「二年に一度のこの催し、本日のオープニングにお越しいただいた皆様方に心よりの謝辞を。
これよりここに、第六回公演の開演を宣言いたします!!」
万雷の拍手は、電子の海を超えいずこより響くか。
重低音とともにバロック様式の天井は空と開き、
薄闇の劇場は一瞬にして太陽の光に満たされる。
展開した壁面の間から流れ落ちる海水が、赤絨毯の階段を滝へと変えた。
「まずは本公演を演じる、人ならざる戦女神たちをご紹介しましょう。
まずは劇団セイクリッドサインより前公演 《グランドマスター》、リディル・ファーブニル。
そしてその女王・イザナミを!!」
最初のコメントを投稿しよう!