木造アパートにプライベートなし

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木造アパートにプライベートなし

「ボッロ……空き家ってこれ一軒家じゃなくて?」 なめろうは驚愕した。 週明けの午後、必要最低限の荷物をと言われてボストンバッグ一杯の手荷物を提げて向かった転居先であらかた今後の生活について説明を受けているが、なめろうは納得がいかない。 「衛生面に関しては国が責任もって完備しております。ただ自治体との予算の関係で……うんぬん」 そしてなめろうが共に暮らす他の3人のメンバーもあれ?1人しか来ていないのだが、、、 「お初お目にかかりまして、わたしゃノバコと申しまして、ほんとにありがたいことでおいたわしいおいたわしい。」 「よ、よろしくお願いします。」なめろうは会釈した。 「よろしくお願い申しまして、おいたわしいやおいたわしや。」 ノバコ婦人はなめろうに向かってまた礼儀正しく会釈した。 「あと、試験運用でロボットも入ります。」 眼鏡をかけた立会人がさらりと爆弾発言をした。 「ロボットって何だ?」 なめろうは急に不安になってきた。 彼、もしくは彼女は正面玄関入り口の段ボールに積まれていた。 不思議な電子音が繰り返し流れている……。 「優秀な頭脳思慮明晰の均一統制されたリア充を育てる教育基本方針、 能書きはいらない埋没する適齢期に合わせた青年期をリア充に育てるための実戦的包括案を作れ、 A-5135、これが私に与えられた認識番号。」 「この婚活アプリに人間は存在しません。 お相手全員がロボット派遣されたソーシャルネットシステムディベロップメント通称恥じらいの温熱電動。」 「地球は満員、人間減らしてロボット増やせ。」 立会人によると開発中の設計士の残業未払いによるボイコットによりロボットを素人が開発した結果、多少の不具合を伴いながらユーモアと皮肉プログラムを組み入れたらしい。 我ながら糞だなこの駄文 FIN
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