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地元の集会で皆、姿勢よく静まり返っている。
と言うよりまったく話を聞いていなかったであろうとんちんかんな質問に源じいが神妙な顔をしている。
マイクの波長音がうるさいピガーー、、、
『ごほ、えー、先程のなめろう君の御質問、最強
になりたいと言う問いに対してじゃな、その答えは……
「いつでも過去に戻れる人が最強なのである。」
うむ、一瞬、は?と思うであろう、思うであろうな、無理もない。
だがそれはまだお主達が「若い」からである。
無限の「若さ」故に過去に戻ることが、どこかSFチックに感じ取ってしまう訳なのじゃ。
無論、年長者にとって過去を振り返ること
それ自体は難しくない、そのー、つまりじゃな、
我々は誰しも歳を取れば取るほど過去を積み重ねる。
その厚さは前に座っとる若人、若者達の比ではないのよ、つまり過去へ戻ることのできる時間の幅は限りなく長いのじゃ。
ちょっと昔とかなり昔の違いがかなり曖昧とは
よく言うものでなブハッハッハッ、御老体の話が飛ぶとは時空が飛んでいることがたびたびじゃ。
答えになっとらんがまあ待て、さて本題に入るとしてじゃ、
今年に入り若者と独居老人のシェアハウス化、ある種の時代錯誤の奉公制度のテスト施行を国がこの街、映えある裏庭町に決めたんじゃ。
これは過疎化の進む我が町の数少ない若者にとっては迷惑な話で、ワシら年配者も緊張しておるがこれこそが過去に戻る可能性を秘めたお話なのじゃあと浅黒い顔に白い歯がニヤッと笑う。
若者の選択を老人が支える
老人の洗濯を若者が支える
ホーホッホッホッ、そろそろお後がよろしいようで……』
垂れ幕が落ちてきた。「創ろう笑おう共生社会」
うやうやしいフレーズだ。
街全体が特別行政区ハウステンボス補完計画として我が家では次男の俺が奉公人に決定してしまった。
町内会にて現町長、通称源じいの住民説明によると地域活性化の管理モデルタウンとして来週月曜日より各家庭が奉公人を排出する。
内訳は長男以下の若者1名とこの街の4割を占める独居老人が3人一組に集まり、計4人で空き家を利用した共同生活を開始するという内容だった。
親の育児負担を減らし高齢者が若者と交流を目指せると中々、理に叶っているように見えるが、親の代理人としての権限を委譲、つまり子供の管理権を顔の分からぬ他人に持たせることに批判が集中しているのである。
軽い怒号が収まったあと
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