0人が本棚に入れています
本棚に追加
雨の日はどうも苦手だ。雨ともれなくついてくる奴が嫌いだからだ。
雨の日くらい早く帰りたいものだ。音楽をかけて雨の音をかき消そうとする。
「おーい。佑斗。」
「逞!?」
「声かけたのに、返事しねーんだもん。」
やたら顔が近かったのは、大事な音までかき消したかららしい。
「もうちょっと待っててよ。部活終わるから。」
「おう。」
「昔みたいに手を繋いで帰ろうぜ。」
「そんな必要ない!!いつの話だよ。」
「大音量でかけといて、説得力ないよ。」
「そんなに待てない。」
「はいはい。」
いつも、素直になれない。それでも、少し雨の日が増しに思えたのは逞のおかげだから、感謝は伝えないといけないよな。
最初のコメントを投稿しよう!