別れは出会い、死は別れ、すなわち……

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 目の前に立つ美少女は心底悲しそうにそう言った。女神というだけあって、慈悲深いお方なのだろうか。見ず知らずの俺の死を悲しんでくれるなんて。いや、まあ、そんないきなり言われたばっかりじゃ、まだ死んだという実感はないんですけど。  とはいえ、目の前の彼女は心から俺の死を悔やんでくれているらしく。  え? ……ていうか泣いてる! え、俺の為に泣いてくれてるの?! この子!?  は? かわいいかよ(即落ち)。  涙を流す彼女の頬はとても白く美しく、いつまでも見つめていられそうな程。  そしてピンク色の髪。  普通なら悪目立ちしそうなその色が、彼女の美しい容姿と完全に調和して、幻想的雰囲気を醸し出している。ある種非人間的なくらいに。  そんなかわいい美少女が、こんな社会の癌みたいな俺の死を悼んでくれていると思ったら……。 あれ、視界が、霞む……。 「じゃあ、だんで俺はあなだ様と会話をできているのでしょうか?」 「なんであんたまで泣いてんのよ……。でも私に敬語を使うのはいい心がけね。ますます気に入ったわ!」  そう、俺は貰い泣きしていた。大学生になってからというもの、涙脆くなってしまって困る。  ちなみに、女神様は鼻水を一回かむと直ぐに泣き止んでいた。  鼻水をかんでいてもかわいい女の子というものを初めて見た気がする。     
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