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「で、あなたにまだ自我が残っている理由だけど、あなたにはちょっとした理由があって人生をやり直してもらうことにしたわ! つまり、そういうわけよ。はいティッシュ」
なんだか説明はよくわからなかったけど、女神様はそう言って祭壇みたいなところから降りて来ると、俺に鼻紙を手渡してくれた。にっこりと微笑みながら。
「あ、ありがとうございます。ずずず」
これが神の慈悲なのか。気配りができてこんなにかわいいなんて、引く手数多なんだろうなあ。神界(?)の恋愛事情は知らないけれど。
そういえば、女の子に何かをもらうなんていつ以来だ? 勘違いで苦い思い出を作った中学のバレンタイン以来かな? あの事件を思い出すと、平等こそは善であるなんて驕りに満ちた勘違いを周囲に押し付ける迷惑極まりないメリケン的思考回路のマルクス至上主義(矛盾)とかいうハイパー矛盾糞女への殺意の波動が抑えられなくなる。義理チョコよりも更に下の位置に存在する、同じクラスだからとりあえず全員に配っとけといった安易な形で作成される哀れみの砂糖菓子を、現世から滅却せよ。
「なんか目が爛々としてるけど……、あなたはそれでいいのね? あなたが嫌だというのならこのまま天国に連れて行ってあげるわ。どうする?」
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