4.準備は万全に。

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 途端にぶわり、と真っ白なレオンハルトの頬が赤く染まったことにぶんぶんと握手をしている美月は、気付いていない。 「レオンハルト様の、お陰で……私の絵が……描けますッ……」  美月のほおに、堪え切れなくなった涙が溢れて流れ落ちて行く。  そんな彼女の様子に、暫く顔を赤くして固まっていたレオンハルトは、はにかんだように目を逸らしながら、彼女の手を握り返した。 「少々時間は掛かったが、我がルーデンボルグの名を使えば……大したことは無い」    少しハスキーな声がぶっきらぼうに呟くと、美月は泣き笑いのような表情を浮かべた。 「……ありがとうございます」  レオンハルトは少し迷うような素振りで視線を逸らした後、彼女に視線を戻し、その頭をぽんぽんと軽く撫でた。
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