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いつの間にか、息が触れ合うほどに近づいていたレオンハルトの鼻先が触れる程の、キスをされそうな程の間近で、視線を合わせたままにこりと笑った。
目の前に差し出された木炭を、そっと受け取ると、彼はすっと後ろへ身を退いた。
「……構図のこと……僕は、君に任せます。君から見た僕の姿を描いて下さい」
立ち上がった美月が、呆然と彼を見る。
「僕は、君の絵が見たいんです。君の目には、僕はどう映っているんでしょうね?」
にこりと笑った彼に、美月は咄嗟にどう返して良いか分からず、ついに口を開くことが出来なかった。
「さて、そろそろ美月は休んだ方が良いですよ? ……おやすみなさい。良い夢を」
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