プロローグ

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プロローグ

俺は、多田 広臣。二十六歳だ。まあまあ年がいってしまい、結構焦っている。 でも俺の友人は男と付き合うし、焦っているのは俺だけかも。なんて思ったりもする。 そんな中、俺はとある一人に少しだけ。ほんの少しだけ惹かれている。そいつは、古城 裕理っていう、女みたいな名前の奴。見た目は勿論男だが、美人だ。 クールだけど、無愛想って訳ではない。笑うし、反応もするっちゃする。 でも、世間一般的に見ると、確実に無反応の部類に入るであろう肝の座り方だ。とんでもねえ。本当。 浪人生っていうくらいだからあまり優秀でないのかと思ったが、かなり優秀。 ミスもほとんどしないし、何より飲み込みが早い。 うん、使えるわ。誰かさんと違って。 隣の席だが、仕事ぶりはすごい。タイピングもまあまあ早く、すぐに請求書を作成してくれる。あのお局の厳しいチェックにすらひっかからないほどの出来栄えだ。 …ちなみに俺は今でも必ずひっかかる。 はあ!?そんなのどうでも良いだろうが!!ってくらい細いとこまで見ている。 そんな話は置いといて。 何より、不思議で堪らないのだ。古城 裕理という存在が。 だから、頑張って話しかけているのだが… 本当に無反応。 さあ、反応してくれるようにするには、どうすればいい?
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