220人が本棚に入れています
本棚に追加
「な、なんですか?それ…」
つい声が低くなってしまう。だって、意味がわかんなさすぎて…
「ああ、簡単に説明するとね?障害物走ってあるでしょ?ネットくぐったり平均台歩いたり。そういうのを二人三脚で二人で協力しながらやるって感じかな!」
「…はあ…」
なんか、楽しみといえば楽しみだけど、嫌だといえば嫌だな…
「その組み合わせってどうするんですか?」
影月くんが真っ当なことを言う。
「そこのカップルは確定として…全社員参加だから、部署内であみだくじかな~」
「…あみだ、くじ」
ということは、木山となる可能性もあるし、長谷川ちゃんとなる可能性もある。恵子さんとなる可能性だって十二分にあるのだ。
木山は…ちょっと、嫌かな。本音を言っちゃうと。
だって、絶対ゲイじゃん?別に偏見はないけどさ…木山は、とりあえず無いな。
「あみだくじは明日用意するので、皆は普通に仕事してねー!以上!」
陽気な課長の以上!で朝礼が終わり、各自自分のデスクについた。もちろん、俺も。
「二人三脚…ですか」
「?」
ぽつりと漏らした古城の声がやけに暗い気がして、声をかけた。
「どうした?」
「いえ…ちょっと、小学生の頃のトラウマというか…」
最初のコメントを投稿しよう!