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「な、なんですか?それ…」 つい声が低くなってしまう。だって、意味がわかんなさすぎて… 「ああ、簡単に説明するとね?障害物走ってあるでしょ?ネットくぐったり平均台歩いたり。そういうのを二人三脚で二人で協力しながらやるって感じかな!」 「…はあ…」 なんか、楽しみといえば楽しみだけど、嫌だといえば嫌だな… 「その組み合わせってどうするんですか?」 影月くんが真っ当なことを言う。 「そこのカップルは確定として…全社員参加だから、部署内であみだくじかな~」 「…あみだ、くじ」 ということは、木山となる可能性もあるし、長谷川ちゃんとなる可能性もある。恵子さんとなる可能性だって十二分にあるのだ。 木山は…ちょっと、嫌かな。本音を言っちゃうと。 だって、絶対ゲイじゃん?別に偏見はないけどさ…木山は、とりあえず無いな。 「あみだくじは明日用意するので、皆は普通に仕事してねー!以上!」 陽気な課長の以上!で朝礼が終わり、各自自分のデスクについた。もちろん、俺も。 「二人三脚…ですか」 「?」 ぽつりと漏らした古城の声がやけに暗い気がして、声をかけた。 「どうした?」 「いえ…ちょっと、小学生の頃のトラウマというか…」
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