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次の瞬間、集中治療室の電気が灯って急に明るくなり、佳奈に取り付けられた心電図モニターのアラーム音が、
「ピー」
と鳴り始めた。
すると同時に赤ちゃんが、
「おぎゃぁ、おぎゃぁ…」
とけたたましく泣き始めた。
看護師さんが駆けつけて、佳奈の様子を診ていると医師も駆けつけてきた。
僕は、一旦集中治療室を出るように言われて廊下に出た。
少しすると医師が集中治療室から出てきて僕に説明してくれた。
「手は尽くしたのですが残念ながら奥様は息を引き取られました。
赤ちゃんは無事です。」
「ありがとうございました。」
僕はお礼を言うと、集中治療室への入室が許された。
ベットの上には静かに眠る佳奈がいて、僕は佳奈に謝っても謝りきれない思いが込み上げていて、目から涙が溢れて止まらなかった。
外は、クリスマスイブの夜を彩るかのように、雪が舞い始めていた。
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