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貴方は目が見えないからバレないと思っているんだろうけど… 失ったモノの代わりに得たモノのおかげで分かるの。 貴方はきっとバレないか不安だよね。 貴方が何もかもを奪ったのが婚約者なのだから… 忘れもしない。 真っ赤に染まったリビングに、倒れて動かない家族たち。 まるでノイズがかかったように見えなくなった私の目。 きっと、二度と許すことはできない。 でも今更、復讐で殺そう、通報しようなどとも思わない。 「ノリカさん、好きですよ。」 暗闇で分からないが、きっと優しく微笑んでる彼が呟く。 「私もよ。」 神様がいるとすれば、私をバカだと呆れるだろう…
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