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我々は、滑り台のような通路をすごい速さで降りて(というより滑り落ちて)行った。
ジェットコースターのように右に左に、上へ下へ、たまに回転しながら滑り落ちていった。
ほの暗く、時に明滅した光の中を滑っていく。
キャァーーーー
ワハハハハ・・・・
ニャァーーーー
キャハハハハ・・・
ビューーーーーン
乙女達の声が鳴り響く
最初はドキドキしたが、だんだんと慣れてくるとけっこう面白い。
摩擦熱でお尻が焼けてしまうかとも思ったが、根をくり抜いた壁は、ツルツルしていてほとんど摩擦もないようだ。
・・・・・・・・・
1時間は滑り落ちたであろうか。
だんだんとスピードは落ちていき、少し後ずさる。
たぶん中央地点に来たのだと思う。
後を見ると、ひとまとまりになり、団子状態で止まった。
ここからは歩きだ。
登りはツルツル滑って歩きにくいのかと思ってたら、螺旋階段状になっていて、滑ることはなかった。
たぶん別世界へ行く時の通路と、帰ってくるときの通路は違うのだろう。
両方とも滑り台では、上がっていくのは至難の業だ。
時々、フラッシュライトのようにケセランパサラン金色が光っている。
・・・「さっきの光の明滅は、ケセランパサランか」
周りについている光苔もほの暗く照らしている。
登りには途中休憩を交えながら、約6時間を要した。やっと出口が見えてきた。
暗いところを通ってきたこともあって、出口の光が眩しい。
出口に着くと、私は ”ドクン” という胸の痛みに襲われ、そのまま倒れた。
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