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本来ならば、側について励ましてあげられる旦那さんが理想的だろう。
しかし、僕はなんとも情けなく、側に居ても完全に邪魔モノでしかなかった。
オロオロとする僕は、とても不慣れなマッサージ師のように、妻の要望とは違うポイントを望まない力加減でさすることしか出来ずにいた。
「ちっがう!!そこじゃないってー!!もう、いいから。出て待ってて。そんな不安そうにされたら、こっちが疲れちゃうよ」
出産前の女性はこんなもんか、強い口調で僕を拒否した。
「ご、ごめん。何かあったら……」
「あっても何も出来ないでしょ?いいから!!待ってて!!」
アイタタ……と腰を抑えながら、妻は僕をしっしっと手で退けて、まるで野良猫でも払うような仕草を見せた。
看護師達の僕に向ける笑顔も、妻側についているような笑顔で、僕は苦笑いを浮かべ、そそくさと退室したのだった。
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