(第2章)笑顔生活

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(第2章)笑顔生活

私、いわしが自分の立場に気づいたのは 5歳だった。物事の分別がつき 大人達の会話の内容も若干わかるようになった頃 私は私の家族の立場…立ち位置に気づきました。 それは、仲介役です。 すべてに置いての仲介役です。 私はいつも祖母と母の仲介、母と叔母との 仲介と、子供のするべきというか、 子どもがする必要のないことを やってきました。 例は、 私と母、兄は祖母宅で暮らしているのですが、 母は毎月食費や光熱費などを祖母に 支払っているらしく、 毎月、母は私に封筒を渡しました。 私は何が入っているのか知りません。 母は「このお手紙をおばあちゃんに渡して」と 言いました。私は郵便屋さんごっこと いう形で毎月祖母に 「おばあちゃん!ママからお手紙!」と お金の入った封筒を届けていました。 なぜ母が直接渡さないかというと、 毎月、封筒の中身が同じというわけにはいかず 先月より少なかった場合に小言を 言われるのが嫌だったからです。 だから、当時まだお金のことや母と祖母が 合わないことも知りません。 祖母も何も知らない私には怒りません。 そんな生活が何年続いたでしょう…いや、 あと何年で終わるのでしょうか。 そんな生活が続く中 私は大人の事情も知らないまま 小学4年生になりました。 母と祖母が喧嘩をしている場面に遭遇して しまいました。そして、そこで初めて 毎月お金を払っていることや 母と父が離婚しているのも知りました。 私は父が単身赴任しているのだと聞かされて 来ました。その時のショックは 今でも覚えています。 そして、母と祖母がこんなにも 仲が悪いのも知りませんでした。 私たち子供の前では、喧嘩もしないし それよりか仲のいい親子に見えました。 このことを兄に相談したらいいのか… でも、したら兄も私と同じように 悲しい思いをする…そう思って、 私は胸にしまいました。 そこから、私の笑顔生活が始まりました。
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