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どうやらわたしは、全身を強く打ち付け、 身体のあちこちを切傷・打撲・骨折…と、 長期の入院を余儀なくされていた。 記憶にはないが、 辺りの監視カメラの映像だと、 誰もいない方向を向き、何かしゃべった後、 急に慌てふためいて車道にうずくまるように震えていたようだ。 台風の影響で視界も悪い。 そんなときに車道に居れば、轢かれても仕方がない状況だった。 雷だと思ったのは、ブレーキの音。 その後の記憶がないのは、 まるでミイラのように、包帯ぐるぐる巻きの状態で病院にいるからだ。 命があっただけでも、ありがたいのかもしれない。
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