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その日は、曇り空。
少し雨がパラついていたが、傘をさすほどではなかった。
いつものように通る道。いつもの物置。今日も窓は開いている。
雨の日くらいは閉めた方がいいんじゃないだろうか…
なんて思っていると、中に人影が見えた。
雨が強くなる前に、所有者が閉めに来たんだろう。
そう思っていた。
所有者がいる状態で、人様の家をマジマジと見るものじゃない。
とはいえ、目を逸らしてみても目的地はその家の先。
視界の片隅に入ったのは、
白っぽい服の人が、窓を閉めるわけでもなく、
ボーッと立ったまま外をみている姿だった。
変な人だな…。
それくらいにしか思っていなかったが、
それから雨の日には、必ずそこにその人影を見るようになった。
心なしかその姿は、日を追うごとにはっきりと見えるようになった。
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