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『あの…スミマセン…』 急に声をかけられたことと、 それこそ幽霊の類ではないかと思っていた心情が重なって、 ひどく驚いて振りかえった。 そこには、スーツ姿の女性が立っていた。 ひとまず人であったことに安心し、落ち着いてからゆっくり声をかけた。 「どうか…しましたか?」 『この場所に行きたいんですけど、道がわからなくて…』 「あぁ…これならこの坂を上っていった先にありますよ」 『ありがとうございます』 スーツ姿で、道がわからない。面接か何かなんだろう。 でも、こんな日に面接なんてついてない人だな…。 そんなことを思っていると…
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