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──これから僕の話をします。
僕はみなさんもご存知のとおり、北海道の小さな漁村の生まれです。
漁師さんも10人いるかいないかといった本当に小さな漁村です。村というよりは部落といった方が近いかもしれません。
冬になると、海は凍り船が出せなくなりましたから、漁期はさほど長くありませんでしたが、厳しい環境で育ったお魚は、脂がのっていて、それはそれは美味しいんです。
だから結構高く売れて1人乗りの小さな船で漁をしても、みんなそこそこいい生活はできていました。
もちろん、僕のお父さんも、漁師さんの1人でした。
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