頑張ってるね

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「切り替えていきましょう!」  たがその言葉は選手には響かなかった。スピードとテクニックで勝る桜聖学園は攻撃の手を緩めず前半だけで更に二点を追加し、三対ゼロで後半を向かえることになった。  後半も流れは変わることはなかった。積極的にドリブル攻撃を仕掛けてくる桜聖学園のアタッカーを南郷のサイドバックが足をかけ倒してしまった。桜聖学園はそのチャンスを活かしフリーキックで四点目を奪った。  この先は弱小サッカー部の悲哀と言ってもいいだろう。集中力の切れた南郷は足がパタリと止まった。ボールに身体を寄せるスピードが遅いため、いいようにゴールを重ねられていった。もっとも残酷な得点は桜聖学園の七点目だった。  必死にディフェンスの真んなかで声を出していた真島が自殺点を犯したのだ。正確には相手のミドルシュートをゴールキーパーがパンチングで弾いたのだが、そのボールが真島の身体に当たり、運悪くゴールに転がり込んでしまったのだ。  そして、そのまま試合は終了。桜聖学園対南郷の試合は七対ゼロと言う悲惨な結果で幕を閉じた。     
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