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徹と大輔と成美と智也は校内で皆から恐れられているグループであり、できるだけそのグループの機嫌を損ねないように学校全体で暗黙の了解が出来上がっていた。
「不倫されたんだって、旦那の職場の可愛い後輩と」
「マジか。ざまーみろだな。俺たちに過度な宿題を課すからこうなるんだよ。自業自得。いい気味だ」
思いの外矢次の話は盛り上がり四人は受験のことなど忘れ楽しそうに笑いあっていた。
その四人が盛り上がってる中、ほかの生徒は皆黙っており、やがて将吾と同じように手持ち無沙汰を隠すように本を取り出したり参考書を読んだりし始めていた。
その時だった。
低い、ドブのような金属音が校内に鳴り響いた。
校内放送だった。
「え?なになに?まだ昼じゃねーぞ」
この学校では基本校内放送は昼休みにしか行われず、朝に校内放送をするなどの経験は一度もなかった。だから生徒は皆興奮しさっきまで手持ち無沙汰を隠していた者も友達と話し合っていた。
すると、場の雰囲気が気に入らなかったのか大輔が椅子を蹴る。
「うるせーよ!おめーら!ただ校内放送が始まっただけだろーが。ガキみてーに騒いでんじゃねーよ」
一瞬時が止まる。
そして案の定大輔に従い教室は静かになる。
教師がどんなに叫んでもいうことを聞かないような生徒でも大輔の迫力だけで静まり返る。それだけ大輔に対して恐れを感じているのだ。
教室に静寂が訪れた頃校内放送は始まった。
「えーーー、皆さん。朝早くから申し訳ありません」
その声は聞き覚えのない声だった。声の質からして教師ではなく、生徒だろう。低音の声は放送を通しているのに生々しく、気味が悪かった。
「単刀直入に言います」
教室から音という音がなくなった。
わずかな呼吸音でさえ鬱陶しく感じてしまうほどの静かさだった。
将吾は本を置き、その言葉の続きを待った。
「これからあなたたちは死んでしまいます。一人残さずです」
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