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「彼の学業の成績は素晴らしい」
マナブはそう言って、指を鳴らす。
すると、全員の手元に、一枚の紙が。
「なんだ、これ」
ゲンキが首を傾げると、「成績表だな」とシキが答えた。
「その通りだ。小学生から大学生までの成績が書かれている」
「うげー、数字ばっかー」
唇を尖らせるアイに、ゲンキは「おうおう!視力検査するか?」と頭を軽く叩く。
「そういう意味じゃない!」
アイが顔をしかめると、マナブはわざとらしく咳き込む。
「その紙を見てもらえばわかるが、彼は成績優秀だ。中学は有名私立、高校も県立高で首席で卒業している。大学でも上位の成績だ」
「ほお、すごいじゃないか!」
「人間関係、金銭において劣っているかもしれないが、彼が学生時代優秀であることには変わりない事実だ」
マナブがそう言い切ると、小さくクスクスと笑う声が聞こえた。
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