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鬱蒼と茂る、名も知らぬ木々・・・
その間を、曲がりくねった細い石畳が奥に奥に続いている。
「あ、ソコ、段差があるから気を付けてね。」
「あ、はい。」
月明かりを消し去る勢いで辺りを照らす、外灯の光・・・
その強い光を遮るように目を覆いながら、大きな池をぐるりと半周ほど回る。
まさか、都会のど真ん中にこんなに広大な日本庭園を持つ邸宅があるなんて思いも寄らなかった。
「眩しい?」
「はい・・・さすがに。」
「ハハッ、やっぱり慣れない人にはキツイわよね。でも、防犯上、仕方がないのよ。いつ誰が乗り込んで来るか、分かったもんじゃないもの。」
「乗り込んで・・・来る・・・?」
「フフッ・・・まぁ、深く考えなくてもいいわよ。あともうちょっとで玄関だから、ガンバ!」
「・・・はぁ。」
璃子は、案内人の背中を見つめながら、深いため息をついた。
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