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・・・翌朝。
「・・・んー・・・・んんっ・・・・」
暖かい朝の光とまどろみの中を彷徨いながら、朔哉は薄っすらと目を覚ました。
昨夜の戯れのせいだろう・・・重く気だるい身体を押しやって何とか向きを変える。
ところが・・・
「んん・・・璃子・・・」
うわ言のように彼女の名を呼びながら腕を伸ばしてみるも、空を切るばかりで・・・あるはずの温もりが、そこにはなかった。
「・・・璃子?」
薄目を開けて時計を見ると、すでに9時半を回っている。
( いつもなら、とっくに朝食を済ませている時間なのに・・・どうして起こしてくれなかったんだろう? )
不審に思いながら、気だるい身体を起してベッドを下りた。
( もしかして、風呂にでも入ってるのか? )
そう思ってバスルームへ向かおうとしたのだが・・・そもそも部屋の何処からも物音が聞こえて来ない。
「璃子?」
もう一度呼んでみたが、やっぱり彼女の返事はなかった。
それならきっとキッチンにいるのだろうと思い、部屋を出ようとした、その時・・・
朔哉は、ようやく異変に気づいた。
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