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リィーーン・・・リィーーン・・・リィーーン・・♪
朔哉は、鳴り止まない電話の音に目を覚ますと、気怠そうに受話器を取って返事をした。
「オレだ・・・どうした?」
「代表、嬢ちゃんの居場所が分かりました。」
「分かったのか!?」
「はい。代表が言った通り、彼女は鎌倉の別荘にいました。林の手前から確認しただけですが・・・幸い元気そうです。」
「そうか・・・苦労をかけて悪かったな。大変だとは思うが、引き続き彼女の様子を報告してくれ。」
「分かりました。」
・・・ガチャ。
「はあ・・・よかった。」
朔哉はガチャリと電話を切ると、ホッと胸を撫で下ろしながら彼女が眠っていたスペースをじっと見つめた。
あれから1週間・・・
臥竜会の関係先を片っ端から探してみるも、璃子の姿はどこにもなかった。
関係先の一覧に次々と✕印が書き込まれ、八方塞がりになりかけたのが2日前・・・
ふと、父親の持ち物であった鎌倉の別荘の存在を思い出し、昨日から白川組の人間に見張らせておいたのだが・・・それが功を奏した格好になった。
あとは、タイミングを見計らって彼女を奪還するのみだ。
と、その前に・・・
「オレだ・・・今すぐ、屋敷にいる者を全員集めてくれ。大事な報告がある。」
朔哉は、トシに電話を掛けて指示を出すと、手早く着替えを済ませて事務所へ向かった。
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