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( まさか・・・ )
そこには、信じられない言葉が並んでいた。
『 私がはねっ返りでいられたのも、あんなに無茶な事が出来たのも、すべて・・・あなたに守られていたから。
あなたの束縛がなければ、私は自由に飛び回る事など出来ない ―― 』
そう言って、彼女は・・・オレの胸に飛び込んで来た。
何と・・・この物語は悲恋ではなく、ハッピーエンドで締め括られていたのだ。
「・・・璃子。」
あの時・・・キミは、何も言わなかった。
お互い、苦しみながらも同じ結末を選んだとばかり思っていた。
でも、本当は・・・
この物語の主人公のように、どんなに険しい道だったとしても、オレと同じ道を歩んで行く事を望んでいてくれたのだろうか?
オレは・・・彼女が自ら屋敷を出た事で、別れる覚悟を決めたものと思っていた。
そして、オレもまた・・・彼女とは違う世界で生きている事を改めて思い知らされていたのだ。
璃子の存在が、どんなに尊いものなのか分かっていたくせに・・・
自らの意思で、あっけなくその手を放してしまった・・・
オレは・・・何て、バカだったのだろう。
どんなに時が経っても、何処で何をしていても、彼女を忘れる日など来るわけがないのに・・・分かった風な顔をして、一番大切なものを失くしてしまった。
でも、まだ間に合うだろうか?
まだ彼女は、この本を書いた時と同じ気持ちでいてくれるのだろうか?
もし、今でも変わらないと言うのなら、オレがしなければいけない事は、ただ一つ・・・
” 璃子を迎えに行く ”

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