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「ねーねーパパ、ボクもパパみたいに、にほんだいひょうになれるかな?」
私は一瞬、答えに悩んだ。
息子はブロンズランクにすらなれない、ランク外だ。
しかしそれを言うなら、私自身もそうなのだ。そして、それでも私は日本代表になれた。
いや、そんな風に考えるのは、きっとただの現実逃避なのだろう。私が現役の頃は、国内のライバル達に遺伝子検査で選ばれた者はいなかった。そして、既に遺伝子選抜が実施されていた海外の選手には、まるで歯が立たなかった。実際、当時の私の記録など、うちの養成所を出た現在の日本代表とは比べ物にならない。
そして息子が笑顔で告げてきたタイムもまた、ブロンズランクの彼が同じ歳だった時の記録にすら、遠く及ばなかった。
息子はきっと、日本代表にはなれない。早い段階でそれを悟らせ、もっと望みがある別の道へ進ませてやる方が、息子にとって幸せなのかもしれない。
だが、もっと望みがある別の道とは何だ?
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