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うちは千代伊(ちよい)。しがない会社勤めの26歳の女の子。そそっかしくて、慌てん坊で、みんなからは、おっちょこ“千代伊”って言われてる。どんな難局も自慢の愛想笑いとオーバーリアクションで乗り切る女の子。いわゆるテヘペロ娘です。そんなうちが、人生最大級のピンチを迎えている。
カラカラカラ・・・。乾いた音だけが虚しくトイレの中に響く。いくらトイレットペーパーの芯を回しても無い。周りを見渡しても無い。そう、紙が無いのだ。
「誰よ。補充してないの。トイレにトイレットペーパーが無いなんて、これが本当の“紙”隠しだわ。壮大な物語、千と千代伊の“紙”隠しが始まる予感。な~んて言ってる場合じゃないんだから!」
千代伊が独りでしょーもある事を言っていると、ガタッと千代伊がいるトイレの個室に何かが落ちてきた。
「何奴?」千代伊が悪代官風に落ちてきたものをギョロっと見てみると、そこにはなんとトイレットペーパーが落ちてあった。
「か、か、か、神ってる。いや、“紙”ってる・・・」
そして、千代伊は思った。「ホンマにいるんやね。トイレの“紙”様って」
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