ひとりあそび

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まあ 時は 昭和の終わり ああ 平成の始めって言った方がいいかな 僕は その頃 幼年期 少年期を過ごしたんだな だが 坂の上にある我が家の回りには 友人と呼べる 同じ年の子がいなかったからか 小さい頃から ひとりあそびが大好きだったんだな 例えば 庭に面した ぬれ縁に 座って 物差しに糸を結びつけては 釣りをしたり えっ? 池でもあったのか?って いやいや ありません そこには ありふれた 雑草の生えた庭があるだけです でも あんた今 釣りをしていたって?って思っておられますよね 皆さん と言う空想の中で 遊んでいたんですよ あるときは そこは 無人島だったり はたまた 難破船からの脱出ボートだったりしては なんとか釣りをしないと 生きていけないなんて 空想しては 遊んでた訳です ええと そんなン面白いんかぁ?って言う方多いでしょうね でも 僕は その日 その時によって  庭に面したぬれ縁が なんにでも変貌しては  楽しんでいたんですよ あるときは アマゾン川を下るボートで ワニやピラニアと死闘を繰り返したり また あるときは 庭に生える柿の木を 椰子に見立てて  南国の海を楽しんでいると 鮫が襲いかかってきたりして そう ぬれ縁が 無限大 に空想で あそび場に変わっていたんですよね それは たんなる一例ですけどね さて  もう少し 大きくなって 小学生になると まあ 同級生達と遊ぶことも多くなってきては ひとりあそびも終了したと 普通の人なら 思うでしょうが どっこい いやいや そう簡単には 消えません  空想のひとりあそびは 今度は 昼間 空想して 遊ぶことより 夜眠る前に 空想の翼を広げては 遊んでいましたね えっ 夜なんか 遊ばず 普通寝てるだろうって いやいや 違うんですよ 今度は 当時大流行していた 仮面のヒーローを 自分が 空想で作り出しては 悪の組織の怪人と空想の中で 戦わせると言う ひとりあそびに熱中しましたねえ 悪の組織も ○ッカーみたいに たんなる世界征服なんて 簡単なものではなく 僕は アクガイヤなる組織を作り出しては その組織は 環境破壊をする人間を滅ぼして 地球を浄化するという 本来なら こちらが正義の組織でもよさそうな設定しては それに敵対するヒーローは 
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