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スマートハウスはシェアしない
ハリーが目を覚まし、ごそごそと寝床から這い出すと、どうにも部屋の様子がいつもと違っていた。
「おい、起きろ、何か変だぞ」
ハリーは、このシェアハウスで生活を共にしている仲間達を起こした。
「確かに変だな。いつの間にか、あちこちにレンズみたいなのがついてる」
「天井がパネルみたいになってるのは何なんだろう」
「そういえば、家主が部屋のリフォームをするみたいなことを言ってなかったか」
言われてみると、確かにそんな会話を耳にしたような気もする。どうやら昼間騒がしかったのは、寝ている間に勝手に部屋のリフォームを済ませられてしまったらしい。
「俺達の意見も聞かずに、勝手だなぁ」
「まあまあ、どうせ私達の生活は今までと変わらないよ」
文句を言うテリーを、ケリーがなだめた。
「家主が私達に冷たいのは今に始まったことじゃないしさ」
「それもそうか。それはそうと、喉が渇いたな」
テリーは台所に向かったが、金属製のシンクに触れた途端、動かなくなった。
嫌な予感がした。
今、テリーがシンクに触れた瞬間、バチッと音がして微かに火花が散ったような気がしたのだ。
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