雨つぶのダンス

1/2
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ

雨つぶのダンス

ガラス越しに外を眺める。 目の前に、雨つぶがツツツ……と流れて上から下へ 丸いまま転がるものもあり 透明の糸のように、細長く伸びるものもある 見ていると不思議だ 運転席のウィンドウという 小さな小さな世界なのに引き込まれてしまう 泣いているように見えるのはなぜだろう? 彼はいつも、私を待たせる 決して…彼が早く来ることはない 出会った頃は、雨つぶが踊っているように感じた 私の心と同じように弾んでいると… たとえ、どんなに待ち長くとも 彼を迎えに来ているのは私ひとり もうすぐ彼に会える 彼も私に会うことを楽しみにしている そう…信じていたから ただひたすらに…待っている時間がうれしかった
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!