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雨つぶのダンス
ガラス越しに外を眺める。
目の前に、雨つぶがツツツ……と流れて上から下へ
丸いまま転がるものもあり
透明の糸のように、細長く伸びるものもある
見ていると不思議だ
運転席のウィンドウという
小さな小さな世界なのに引き込まれてしまう
泣いているように見えるのはなぜだろう?
彼はいつも、私を待たせる
決して…彼が早く来ることはない
出会った頃は、雨つぶが踊っているように感じた
私の心と同じように弾んでいると…
たとえ、どんなに待ち長くとも
彼を迎えに来ているのは私ひとり
もうすぐ彼に会える
彼も私に会うことを楽しみにしている
そう…信じていたから
ただひたすらに…待っている時間がうれしかった
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