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手紙を開けてみる。 そこには几帳面な字でこう書いてあった。 「君は大丈夫。どんな時でも飄々としている君を尊敬する」 いつだったか、励ましてもらった言葉。 飄々としているかな……わたし。 思わず苦笑いがこぼれた。 でも、彼がそう思っているのなら。 どんな時でも飄々としている私でいたい、と思った。 まだ返事を書くには、何枚もの便箋をダメにしてしまうけれど。 『私は大丈夫です』とちゃんと言おう。 言えば、きっとその通りになる。きっとすぐに。 さぁ、笑って。 こうして、私の始まりもしない淡い淡い恋は終わりを告げた。 だから私はどんなときも笑うよ。なんでもないと飄々としているよ。 いまあなたは笑っていますか? たくさんの感謝を彼におくりたい。
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