世界中に叫びたいの

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彼との出会いは2年半前。 学生時代から付き合っていた彼氏と別れて人生のどん底にいた私を救ってくれたのが彼だった。 振られた腹いせにとヤケ食いして胃もたれを起こし、道の端っこでうずくまっていた私に 優しく手を差し伸べてくれた。 甲斐甲斐しく介抱してくれるその姿に入れ込み、その場で名前と連絡先を聞き、交際するまでに至ったのだ。 (いま思えば恥ずかしいなぁ) ヤケ食いなんて……と顔を覆いたくなる。 でもそれがあって今の幸せがあるのだから 何も後悔することはない。そう思っていた。 彼に家庭があると知ったのは 交際を始めてすぐだった でも別れようなんて微塵も思わなかった だってもうその時には手遅れだったから (奥さんに勝てるなんて思わない) けれど……奥さんにない部分、奥さんにできないことで彼を癒してあげられたら。 そんな考えに至るほど、私は彼を愛してしまっていた。 (……鳴らない携帯) 手元にある携帯に視線を移す。 今までは1日に3,4件ほど着ていたメールが、昨日の制約により一切来なくなってしまった。 仕方ないといえば仕方ない それでもいいと言ったのは私 彼を困らせてはいけない それでも好きだと言ったのは私だから
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