世界中に叫びたいの

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「うん。昨日ね」 「……おめでとう……」 子供が生まれたその翌日に、不倫相手に会いに来るのね 座席の位置をずらし、狭める。私に丁度いいサイズ感を探す。 (ひどい男……) 奥さんが可哀想だ。 毎朝彼にお弁当を作り、毎晩夕飯を作って待っているであろう彼女。 信号が青になり、再度発進する車。 丁度シートの位置を直し終えたところだった。 (でも) 好きになってしまったから。 ごめんなさい。彼を愛しているから。 もうこの気持ちを抑えることも止めることもできない 無かったことになんて以ての外 だいたい最初に言ってくれれば付き合ってなんかいなかったし だから私は悪くない 胸の中で強く呟き隣を見やる。 ……素敵だなぁ、とぼんやり。 「今日はここでいい?」 彼の指差す方向を見ると、ピンクのイルミネーションが眩しいお城。……私たちの、愛の城。 入室し、シャワーも浴びずにお互いを求め合う。……ずっとこうしたかったの。 貴方を待つ間 いつも寂しいのよ 喉の奥に飲み込んで、溢れないようにキスをした。 出してしまえばもう2度と出す前には戻れないから。 行為を終えて、別々にシャワーを浴びる。 私が入っている間に彼は奥さんに電話をする。
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