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これから帰るという旨を伝え切られた電話。
後ろから彼を抱き締める。
「ねぇ、次はいつぐらいになりそうなの?」
「……」
暇を見つけて会いに来る彼。その日時に予測などできない。
例えば奥さんが実家に帰っていたり。例えば奥さんが遊びに出ていたり。例えば……
奥さんの具合が悪くて臥せっていたり。
そんな時に会いに来る。
だから、“次はいつ”なんて愚問なのだ。
けれどどうしても聞きたくなる。
無駄だとわかっていても。
次回があると期待できるから。
彼はゆっくりと身体を返し私の腕を離した。
いつもならそのままキスをしてくれるのに今日は黙ったまま。
違和感を覚えた私は彼の顔を覗き込む。
「どうしたの」
彼は重い唇をゆっくりと動かした。
「別れてくれないか」
…………。
…………………………
時が止まったような気がしたの
世界がおわったきがしたの
だってあまりにも突然だったから
(……朝)
気だるい身体を起こし時計を見る。時刻は朝の5時。少し早起きすぎたかなとぼんやり。
今日は久々の休日出勤で、目覚まし時計は6時にセットしていたのだが。
どうせ起きてしまったのだからと着替えを始めた。
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