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鳴の事が好きだった。
ずっと昔から。
原君と付き合ったと聞いた時は本当に泣きそうになった。いや、泣いた。
それから、原君に嫉妬することもあったが鳴が幸せなら良いと自分に言い聞かせていた。
原君と喋っている鳴は本当に楽しそうだった。僕はその姿を見るだけで充分だと思った。
けど、僕は汚い人間だ。
そんな事を言いながら心の中ではまだ鳴の事を諦めきれないでいた。
多分昨日の僕は原君が交通事故に巻き込まれると分かっていながら原君には伝えなかった。それは何故か。
鳴にまず一番最初に伝えて一緒に原君を助けたかったからだ。
鳴に頼って欲しかったんだ。
けど、いくらなんでも流石に原君を駅に呼び出したりする様な事は絶対にしない。
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