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一人で鳴が僕の家に来るのはとても珍しい。それだけ事を急いでいるという事か。
「おはよう」
そう言ったが返事はなく、鳴はそのまま自転車に乗ってそのまま走り去って行ってしまった。
あれだけ大きな鞄を前かごに入れているのに凄いスピードだ。
急いで自転車に乗り鳴の後を追う。幸運な事にすぐ近くの信号で鳴は引っかかって立ち止まっていたので直ぐに追いつく事が出来た。
「昨日と違って自転車がとても軽いわ」
僕の横で鳴はそう言ったが、僕には昨日が分からない。
「で、鳴? 何をそんなに急いでいるの? 」
「咲ちゃんを助けるのよ…… 」
鳴はポツリと呟いた。
その言葉に僕はすぐに返事を返さなかった。
僕と鳴は約束した。未来予知で見た重大な事件や出来事には直接関わらないと。
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