決意

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「ねぇ、私間違ってたのかな? 」 ベッドの上で寝ている鳴は力ない声でそう言った。 あれから鳴は病院に搬送されて治療を受けた。幸い命に別状もなく怪我も擦り傷程度だったので、今日一日病院で安静にすれば明日には退院できるらしい。 「どうなんだろう…… 」 鳴にかける言葉が見つからない。 何を言っても慰めにはならないと思った。 何でも鳴を乗せたタクシーがブレーキとアクセルを踏み間違え前方に停車していたトラックに激突し、そのトラックが歩道に乗り上げ歩行者をひいたのだという。 もし、鳴がタクシーに乗らなかったら事故は起きなかったのだろか? もしあの時、鳴がタクシーに乗るのを止めていたら事故は起きなかったのだろうか? もし、僕が予知など出来なければ事故は起きなかったのだろうか?
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