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しかし、原君もあの時の事は覚えていないだろう。それに兄貴は今いないし、聞いたところで答えない。
これは、僕の予想でしかないのだ。
あの時の記憶を僕も鳴も鮮明に覚えているわけではない。
あの時原君は違う道から駅に行ったのかも知れない。
あの時通った車が白い車ではないかも知れない。
坂に気をつけろの意味など特に無いのかも知れない。
僕が駅に誘ったと原君は何かの間違いで思ったのかも知れない。
何を考えても今更遅い。
しかし、今でもあの時の記憶の残り香がずっと漂っている。
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