手掛

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しかし、それだけで凛さんが犯人だと決めつけるのは早い。 動機が薄すぎるのだ。 「愛さんはどんな人だったの? 」 「んー、成績も優秀でキャプテンを務めていたからな。 練習も真面目に取り組んでたし」 やはりそうか。 キャプテンを務めるくらいの人望。確かに妬まれる原因はあるといえばある。 「まあ、あんまり考えすぎんなよ。 そうだ、父さんはまた会議で遅くなるって」 兄貴はそう言うとオレンジジュースをそのままにしたまま居間を出ていってしまった。 すぐに階段を上がる音が聞こえた。 それと同時にiPhoneの録音を終了し、メモを取れるアプリを起動する。 メモを取らなければ明日の僕は、今僕が考えている事を覚えていないからだ。
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