手掛

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「とにかく、私がすぐに思い出せなかったのにはちゃんとした理由があったのよ」 電話越しから鳴の声が聞こえた後、すぐに液体をすする音が聞こえた。 オレンジジュースでも飲んでいるのだろうか。本当に甘いものが好きなんだな。糖分の取りすぎではないだろうか。 「分かったよ。 じゃあ奥蓮さんについて何か知っている事はある? 」 そう言うとオレンジジュースを飲んでいたであろう鳴は無言になった。 「んー、これといって無いわね」 鳴も分からないのか。これはやはりおかしい。 あれだけ似ているのに、普段常に一緒にいる鳴が分からないのは疑問に思う。 「その事なんだけど、私は奥蓮がどうも怪しいと思うの」
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