手掛

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「ん? 」 居間を出てすぐ足元に紙が落ちていた。 それを拾ってよく見て見るとそこには電話番号が書いてあった。 兄貴の字だ。 電話番号は携帯ではなく固定電話の番号が書かれいた。 誰の番号だろうか? すぐさま居間へと戻ると兄貴はまだ弁当を食べていた。 「まだいたのか? 」 僕の気配に気づいたのか弁当を食べながらそう言った。 「兄貴、これ」 落ちていたメモを兄貴に見せる。それと同時に一瞬兄貴の表情が変わった様な気がした。 「捨てといて」 兄貴は強弱の無い声でそう答えた。 「いらないの」 「いらない」 そう言われ先程コンビニの弁当を捨てたゴミ箱に電話番号が書かれたメモ用紙を捨てる。
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