127人が本棚に入れています
本棚に追加
鳴の後を追って走る。
まだ夕陽が眩しい。
グラウンドには野球部やサッカー部が練習をしていて、部員の掛け声やバットにボールが当たった音、サッカーゴールのネットが揺れる音が響いていた。
校門を抜けて、鳴は交通事故が起こる駅とは逆の方向に行ってしまった。
「鳴! 」
咄嗟に鳴を呼ぶ。
「逆なのは分かっている。先に健の家に行くのよ!この道なら駅に向かう健と会えるかもしれない! 」
鳴の声は風に流されてはっきりとは聞こえなかったが、それでも鳴の言いたい事は分かった。
確かにこの道なら家を出て駅に向かう原君と会えるかもしれない。この状況でも冷静な判断をした鳴に少し驚いた。
最初のコメントを投稿しよう!